【文庫本】fog/haze|I have no time. https://t.co/0rCnTPgnP6
— Ihnt._delthalensis (@Ihnt_d) September 1, 2024
葬務者シリーズとして一次創作小説第二弾を発行しました。
muscari.シリーズにしようかなと思っていましたが、早い段階から商品説明を書いていてタイトルと紛らわしいな…となって葬務者シリーズとしました。自分の本棚が自分の作品で充実していくのとてもいいな…!
相変わらず自分に最適化されているので不親切な点が多いかと思いますが、前作含めこうして形にしたものに興味を持っていただけたのであれば嬉しく思います。
この記事は仕様→作業手順→使用ツール→あとがきの順になっているので興味のないところは飛ばしてください。
今回はこれ以上出すことも無いと思ったのでちょっとだけ内容とキャラクターの設定に触れます。困ることはありませんがネタバレはあります。多分。
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仕様
本体・ブックカバー印刷:大阪印刷株式会社(https://otaclub.jp/)
無線綴じ冊子(A6)、ブックカバー印刷(A6文庫用)
本体表紙:里紙(きり 170kg)
本文用紙:書籍用紙 70kg(※57kgがなくなったため)
本文ページ数:220ページ
カバー:コート+クリアPP(巻き作業を希望しない)
本体表紙は前に合わせてしょうぶにしようかと思ったのですが折角「きり」という名前なのでそちらにしました。すっきりしていてこっちの方が好きかもしれません。
本体用紙ですが、ペラッペラの紙が好きだったのでちょっと悲しい。
ページ数は前回が290、今回が220とキリがいいのですがたまたまです。本文出力しててびっくりしましたよね。
作業手順
— Ihnt._delthalensis (@Ihnt_d) February 18, 2024
火葬伯の絵に何度かフレーバー的に書いていた「小咄/交代」というおはなしが大本です。
プロットは前作の終わりにはふわっと決まってメモしてあった火葬伯の昔話を短編用に希釈したものですが、書き終わってみれば前作とおはなしの展開と構造が一緒になってしまったような気がします。
メモ書き(プロット)13,776字→完成102,564字
執筆は前回と同じく一日1,000字目標です。
でも前回ほどメモ書きが詰まってない・エピソード間が時系列的に離れすぎていてくっつけもできないので先の書き足しをする余裕もなくて普通にしんどかったです。
主に仕事の休憩時間やご飯を食べながら書いていました。小説を書いて飯を食っている(物理)。
あんなお話なのでご飯は当然おいしくないです。毎日もそもそ1時間以上かけて食べてた。
執筆ペースはこんな感じです。
最初はレシートのメモ書きを章ごとに割り振るので絶対に飛びぬける。
8/2は「小咄/誤算」を持ってきた日なので字数が多いです。
7/24に全編を書き終えたので以降は推敲作業です。
前回の誤字脱字がなかなかひどかったので、今回は書き終わった後に気持ち推敲作業をしました。どうでしょうか。
書き終わったときは99,720字みたいなギリ10万字ない感じでしたが、足りないところを補っていたら10万字超えました。
おかしいな…この話3万字くらいの短編のはずがプロット長くなったから5~8万字の単行本にしようと思ってたのにな…エピソードが全体的にぶつ切りなのはそのせいです。カバーのあらすじに書きましたが独白だと思えばそんなもんかなって…
世界観の説明ができたらいいなというのもあったのですが設定を出すだけ出して内容と関係なかったりしたので、単体でも読めるとは書いたものの実際は読みにくくなっている気がします。
書きたいことと書くべきことをうまくまとめられたらいいですね。
表紙は本編と同時進行でちまちま描いていて、推敲・本文の画像変換・巻末絵・予告絵が同時進行でした。
— Ihnt._delthalensis (@Ihnt_d) August 6, 2024
英文はあらすじを とろ 様に翻訳していただきました。
機械翻訳だと性別の絡む三人称が出てきてしまったり、単語これでいいのか…?みたいになったりでせめて意味の通じるものにしたかったので大変ありがたかったです。
どうやら葬務者はundertakerでよさげなようで、よく訳として見る墓守というよりは、単語そのままに引受人というイメージです。葬務長の昔の職位的にもちょうどいい気がします。
それからついでに前作の分も翻訳していただいたので今後もどこかしらで使っていきたいです。
ありがとうございました!
使用ツール
前回と全く同じです。
しいて言うなら文庫メーカーは新UIで使いました。
ISDNとNolaは推しサービスです。創作のお供にぜひどうぞ。
前回に引き続き発行日の見積もりがいい加減なので9月16日発行になっています。
あとがき
あるんじゃないですか、漠然と「救われたい」と思ったこと。
分かりやすい要因っていうのはなくて、でもなんか自分を圧迫してくる、水中から息継ぎしようとしたらいつの間にか水面に氷が張ってて頭ぶつけたみたいな、そんなおはなしです。
・登場人物について。
辺境火葬伯
muscari.のメモ書き時点では埋葬卿のことを遠巻きに見守っている面倒見のいい近所のおばちゃんみたいな設定でしたが、面倒見のいい近所のおばちゃんが葬務者に割り振られることが…?みたいに思って今のもうちょっと落ち着きのない感じになりました。
でも元設定の方みたいな人こそすごいたくさんの支援を受けてやっとやっと平穏を手に入れて周りを見れるようになった、みたいなことはままある。
雑念が多いゆえの不注意と責任感のなさがありますが、一方で無償の献身精神を持っているとも言えるでしょう。
自分は葬務者ではないという一心がその職位に放り込まれた時、では葬務者に対してどうあるべきか、というところで不幸な優しさを発揮してしまった感じです。
前向きに評価されることに対して強固な殻ができてしまった(私見)のでとてもかなしいです。なでなでしても営業用の顔するんだろうな。
話せないわけじゃないし人付き合い駄目じゃないし趣味に対して多少知識も経験もあるしお金の管理ができるからVtuberにでもなって細々と幸せになれ。
計算が早いのも感触で形が当てられるのも努力の賜物。ある程度の自信のもとに集中しているので雑念の余地がなく、よほど内心を邪魔することがない限り正確です。
最後はあんな感じで悪事とも言っていますが、muscari.で「ちょっと商売を」と口走っているあたり契約関係よりも売買取引に未練はあるのだと思います。
辺境火葬伯(前任者)
薬物の精製法もさっと理解できて埋葬公を操作するくらいの順序立ても素ですぐできるしなので、地頭はいいけど(教育者の意図として)まともな教育受けさせてもらえなかった感じ。
そこそこの頻度でセルフネグレクトはするけど他人の面倒見はいい方、というか多分好き。ただし根幹にはDV気質。これは教育者のせいもある。
人間相手じゃなくてなんか家庭菜園とか箱庭療法とか楽しくやってくれたらいいな(願望)。実際部屋は箱庭。
ちなみに葉っぱはダウナーらしいので作中の効用は現実ベースで見るとえらい適当になると思われます。
肺がぼろぼろなので階段がしんどく、自宅も埋葬公の屋敷も2階は未知の空間だったりします。
色硝子の眼鏡は極々軽度の斜視があり注目を拡散させるため。別にそこまでしなくても、言われても分からないくらい軽度ですが自分についてなんかやだなっていうのは気になったら一生気になる、そんな感じです。今思ったけどこれ安心材かもしれない。
新聞に煽動的な投書をしており筆跡がBANされています。両手でそれぞれ違う筆跡が書けますが送りすぎて両方BAN。辺境から出られないらしいのに調度品の借用の競争に勝てるあたり、文章だけで人を動かす才があるようです。誰が言ったか「煽動者」。
辺境埋葬公(前任者)
火葬伯後任が埋葬公って怖いなー怖いなーって感じなのであんまり設定らしいところを見る機会がなかった気がします。
本来なら対人の場では人に興味を持たずに比較的自由気ままにしてるけど、相手が火葬伯前任の時だけ無意識にミラーリングを行うという特徴があります。
記憶力は凄まじいですが知識をアイデアに応用できないために自分の観察できる範囲で脈絡のないことは本当に目の前に急に現れたように感じてパニックになるので、活動時間中は常に相当の緊張状態を強いられています。読書の目的は基本的に知識の収集と状況サンプルの詰め込み。
「辺境の埋葬公」という孤立した環境と、操作に特化した同業者はこの人にとって一番負担のない環境なのでした。
そんな中なぜ中央区に足繁く通うようになったのかは小咄にでもできたらと思っています。
髪切るのは嫌がるけど爪は切れます。散髪のじょきじょき感とぷちぷち感が生理的に無理、怖いという感じ。
辺境埋葬公後任
謎の人に見えてたらいいなと思います。前作は当人視点があったけど、なかったらこんな意味不明なんだみたいな。
一応本人には意思も感情もあって、なのに表に見せないから相手に伝わらないというか、根本が他者と共有できないまま従順にしているというか、「葬務者の要件」とは一体何か、そんな感じです。
なんだかんだで火葬伯前任とまともな交流がないのでこの人に語れることはなく、当代の火葬伯が語ることがなければ火葬伯前任は誰よりも早く消えて無くなる存在ということになるでしょう。
・「きょうだい」について。
私の趣味の範囲でですが、血の繋がりのない相手に対して「兄弟」という言うとき、なんか都合のいい響き、家族同然、みたいなこともありますが、それ以上に「運命共同体」の略称みたいな雰囲気があるのではないかと思います。
血縁関係の価値がほとんどないmuscari.の世界観において、「きょうだい」というのは多分、相当に特別なことだと思います。
火葬伯前任と埋葬公に実際に血縁関係があったかどうかはご想像にお任せします。
「muscari.」をはじめとした葬務者シリーズは葬務者の行動をわたしが記録しているみたいなところがあるので、書きそびれたり見えてなかった物事があったり、あとがきとか設定とか言いつつもほとんど自分で作ったものの自己解釈みたいなふわふわしたもので、100%の真実というわけではありません。
人の心はひとつの解を出せるものではないと思っているので、読んでいただいて思い付いたこと、見えたことがあればぜひなんでも教えていただけると嬉しくなります。参考というか見え方の指標にします。
…とかなんとかいいつつ、お心でもらえるものは何でも嬉しいので、感想までといかずとも本買ったよとか買ってないけど発行おめ!とかそのツールいいね!とかところで二次創作見てるよとかでも反応いただけるとうれしくなります。
本作に限らず、もしなにかありましたらお題箱・マシュマロ、Xのリプライ等へどうぞ。
XやPixivの閲覧・反応ひとつでも大変励みになっています。エゴサはBOOTHの商品名しかしないので共有ボタンからの購入報告も大変励みになっております。本当にありがとうございます。
あとはひっそりコミティア150に申し込んでいるので、行ける行けないかかわらず11月あたりに自創作コピ本かなんか発行できたらいいなと思っています。葬務者かもしれないし祓師か21番街かもしれない。前回第一海葬伯のおはなし書きたいとか言いながらガン無視しているので自分でもびっくりするほど参考になりません。
それから締め切りを作ると破ることに必死になってしまうので目標程度にしておきます。
もしどこかで見かけた折には、どうぞよろしくお願い致します。
この度は当記事をお読みいただき、または本をお手に取っていただきありがとうございました。